幸福感は遺伝による影響を受ける?幸福の遺伝子の存在を調査してみた

幸福感とは

幸福感とは読んで字の如く、ヒトが幸福を感じる度合いを指します。

カラダの表に現れる体質などと比べ、幸福感は本人の主観的な感じ方に過ぎませんので数値的に評価することは難しいものではありますが、調査を進めていくとやはり幸福感を感じやすいヒトや幸福感を感じにくいヒトがいらっしゃるようです。

民族間となるとその差は特に顕著になり、例えば世界幸福度調査(2016)によると世界トップクラスの経済環境という恵まれた環境の中にいる日本人の幸福度は世界28位となっていますが、経済指標のひとつである1人あたりGDPが日本より大きく低い、コロンビア(1位)やアルゼンチン(6位)、メキシコ(8位)、エクアドル(9位)といった中南米の国がランキングの上位を占めています。

日本人から見れば、経済的な理由、治安的な理由などからあの国に生まれなくてよかったと感じるような国のヒトの方が多く幸福を感じているという事実から、幸福=経済的な豊かさや文化的な豊かさといっただけの単純な尺度で導き出されるものではないことがこのランキングからはっきりと分かります。

なお、この世界幸福度調査は、アンケートにより純粋幸福度(幸福を感じているヒトの比率ー不幸を感じているヒトの比率)を試算しランキング化したものです。

幸福感は遺伝するのか

ヒトのおかれている経済的・文化的環境がかならずしも幸福感を決定づけるものではないことは、上述したランキングで明確に示されているとおり、やはり遺伝子の構成によって幸福感を感じやすい傾向や幸福感を感じにくい傾向が現れることが分かってきました。

ヒトの思考をつかさどる脳において幸福を感じるわけですが、具体的にはβ-エンドルフィンと呼ばれる脳内神経伝達物質の働きにより多幸感を得ています。ですので、β-エンドルフィンの働きが弱ければ遺伝的に幸福を感じにくい傾向にあるといえますし、β-エンドルフィンの働きが強い型は遺伝的に幸福を感じやすい傾向にあるといえるでしょう。

従って、β-エンドルフィンの働きと関係する遺伝子の型の違いをグループに分け、それぞれのグループで幸福感を感じている方の数を統計的に調査をすれば遺伝子の影響による幸福感の感受性の傾向が分かります。

β-エンドルフィンがμ-オピオイド受容体と結合することで多幸感を導き出すわけですが、このμ-オピオイド受容体を生成する遺伝子の多型(snp)により、β-エンドルフィンとμ-オピオイド受容体との結合能力について最大3倍もの差を生み出すことが分かってきました。

幸福に関する遺伝子の検査方法

μ-オピオイド受容体は第6染色体に存在するOPRM1と呼ばれる遺伝子により生成されています。

このOPRM1遺伝子内に存在するsnpにより幸福感の感受性が評価できます。

具体的には当該箇所に存在する塩基がアデニン(A)かグアニン(G)かによってβ-エンドルフィンとμ-オピオイド受容体との結合能力が変わり、グアニン(G)である場合はβ-エンドルフィンとμ-オピオイド受容体との結合能力が高く、幸福感を感じやすい体質で、アデニン(A)である場合はβ-エンドルフィンとμ-オピオイド受容体との結合能力が低く、幸福感を感じにくい体質と評価できます。

ヒトは両親から2つの対立する染色体(遺伝子)を継承しているわけですので、遺伝型(両親からそれぞれ継承しているsnpの組み合わせ)で考えるとGG>GA>AAの順番で幸福感を感じやすい体質であるといえるでしょう。

はじめに説明したとおり、幸福感というものはヒトが主観的に感じているものにすぎませんので、自分が幸福と感じることができる行動を持続して続けていくことで幸福感を高めていくことが可能です。遺伝的要素だけに捉われすぎないことも大事でしょう。

なお、世界幸福度調査はヒトが主観的に感じる幸福感を統計的に数値化したものですので、中南米の方と日本人の遺伝子の違いの調査を進めていくことで、人種間の遺伝子型の違いによる幸福感を導く遺伝子型の解明が進んでいくことが期待できます。

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