乳癌の発症に遺伝が影響する?乳癌の症状・原因・リスク遺伝子・初期症状・予防方法まとめ

はじめに申し上げますと、乳癌は遺伝による影響を受ける病気です。

ただし遺伝により必ず乳癌を発症したり、あるいは発症しなかったりするわけではなく、遺伝的な要因と生活習慣などの環境的な要因が重なって乳癌の発症リスクが決まります。

この記事では乳癌の基本的な知識と、遺伝が乳癌の発症リスクに与える影響、乳癌の発症リスクに影響を与える遺伝子の検査方法、乳癌の初期症状や予防法などについてご紹介させていただきます。

乳癌とは

乳癌は乳房部に発生する癌(※)のことをいいます。

乳房は表面を覆う皮膚と、脂肪などの皮下組織、母乳をつくる乳腺などからなりますが、乳腺はさらに細かく母乳を分泌する小葉と母乳の通り道となる乳管に分けられます。
そして乳癌は約90%の割合で乳管で癌細胞が発生するといわれています。
乳管は乳頭から放射状に広がるように存在していますので、乳癌は乳房のどこにでも発生する可能性があります。その中でも乳癌の発生する確率が最も多い部位が、乳腺が多く集まる乳房の上部外側です。

乳癌の多くは乳管内部に発生しますので、癌細胞はしばらくの間乳管の中にとどまっていますが、癌細胞がある程度増殖すると上皮細胞を破って乳管の外側へ出ていってしまいます。
乳房内部には乳管のほかリンパ管や血管などがありますので、乳管の外に出た癌細胞がリンパ管や血管に入り込んでしまい他の臓器に転移することがあります。

※癌とは
ヒトの体は約37.2兆個の細胞から構成されており、新しい細胞ができては古くなった細胞と入れ替わっています。
1つの細胞が2つに分裂することで新しい細胞が作られていくわけですが、正常な細胞であれば周囲の状態を検知し必要に応じて細胞分裂を行うのに対し、癌化した細胞は際限なく分裂を繰り返し増殖していきます。癌化した細胞が分裂を繰り返した結果発生した大きなかたまりのことを癌と呼びます。

乳癌は、女性の癌の中では発症数が一番多い代表的な女性の癌です。
50年前は女性の50人に1人が発症するといわれていた乳癌ですが、生活習慣が変わったことなどにより、現代では女性の12人に1人にまで発症頻度が上がってきています。
また、アメリカにおいては8人に1人もの方が乳癌を発症しているというとても高い数値が出ており、欧州でも日本より高い割合で乳癌の発症がみられており、世界中の女性にとって発症率が高い厄介な病気といえるでしょう。

乳癌の患者数の推移を表したグラフ
日本における乳癌の患者数ですが、国立がん研究センターの調査によると2008年は59,389人、2009年は61,232人、2010年は68,071人、2011年は72,472人、そして2012年には73,997人という患者数となっています。依然として患者数が増加傾向にある発症頻度の高い病気です。

乳癌の症状

乳癌を発症すると、代表的な症状であるしこりを含め乳房部を中心として様々な症状が出ます。
以下に症状をまとめましたので、ご参考にしてください。
①乳房部のしこり
固くコリコリした感触のシコリができ、触っても動きにくいものが多いといわれています。
良性のしこりや乳腺をしこりと感じてしまうことも多く、専門家でないと判断できないため自己判断は避けましょう。
②皮膚のくぼみ
乳癌が皮膚の近くで発生した場合に、皮膚が乳癌のしこりに引っ張られることで皮膚にえくぼのようなくぼみが現れることがあります。
しこりの近くを指でつまんだときにえくぼのようなくぼみが現れるケースもあります。
③皮膚のひきつれ
皮膚のくぼみと同様に、乳癌が皮膚の近くで発生した場合に、皮膚が乳癌のしこりに引っ張られることで皮膚のひきつれ(皮膚が引っ張られたような症状)が現れることがあります。
④皮膚の潰瘍
皮膚の近くで発生した乳癌が進行すると乳房の表面に潰瘍ができ、ウミや出血を伴う場合もあります。
⑤乳房部の形の変化
乳癌が発生した乳房のサイズや形が大きく変化することがあります。
左右の乳房の形を比較して、違和感を感じたら専門医に相談しましょう。
⑥乳頭部の陥没
乳癌のしこりの影響で、乳頭部が陥没する場合があります。
⑦乳頭部の分泌物
乳癌が発生した乳房の乳頭部から茶色または赤っぽい色の分泌物が出てくる場合があります。
分泌物が透明や白色、黄色の場合は乳癌の可能性は低いですが自己判断は避けましょう。
⑧乳頭のただれやかゆみ
バジェット病と呼ばれる特殊な癌の場合、乳頭や乳輪に赤い湿疹やただれが発生する場合があります。
また、乳癌により乳頭部にかゆみが出る場合もありますので、他の症状と合わせて乳頭部のかゆみも出ている場合には注意が必要です。
⑨脇の下のリンパ節の腫れ
乳癌が発生した場合、乳房のしこりよりも先に脇の下のリンパ節が貼れる症状がでる場合があります。
乳房部と合わせて脇の下のリンパ節の異常にも注意が必要です。

乳癌の原因

上述したとおり乳癌は近年急速なペースで増加傾向にある病気ですので、その原因は現代の生活習慣にあると考えられおり、具体的には「未婚・高齢出産の増加」や「食生活の欧米化」が挙げられています。

未婚・高齢出産の増加

現代の日本では女性の社会進出などの影響で、未婚の女性が増えたり、高齢出産される女性が増加傾向にあります。
一方で、乳癌はエストロゲンの影響で成長するタイプのものが多く、エストロゲンは妊娠や授乳中には分泌が抑えられるという性質を持っています。つまり出産回数が多い方はそれだけエストロゲンの分泌が少なくなるわけです。
したがって、出産歴がなかったり、初産年齢が高い女性はそうでない方に比べてエストロゲンレベル(エストロゲンの比率)が高い状態が長く続く傾向にあります。さらに現代の日本人女性は昔の女性と比べ初経年齢が早まって、閉経が遅くなっていることもエストロゲンレベルが高い状態を引き起こす一因となっており、こういった状況が乳癌の発症リスクを高めている1つの要因とされています。

食生活の欧米化

日本人の食事は米を中心とした和食から肉類や乳製品を中心とした食事にシフトしました。この食の欧米化に伴い、高脂質・高タンパクの食事を摂る機会が増えたため、栄養を過剰に摂取している状態となり肥満気味の方が増えてきているというのが現状です。
肥満で皮下脂肪が多ければ多いほど、上記で述べたエストロゲンも多く生成されるため、肥満も乳癌のリスクを高める1つの要因とされています。

上記のほか、乳癌の発症リスクを高める要因として遺伝的な要因が挙げられています。
特に家系で乳癌を発症された方がいらっしゃる場合、乳癌の発症リスクが高まることが解明されており、親、子、兄弟姉妹に乳癌を発症された方がいらっしゃる場合は通常と比べて2倍以上乳癌の発症リスクが高まるという調査報告もあるほどです。

ただし気をつけていただきたいのは、上述した内容は統計的に見た乳癌の発症リスクを高める要因であって、乳癌を発症してしまう直接的な原因ではありません。発症リスクが高いから確実に発症するものではありませんので、この点についてはあらかじめご理解ください。

乳癌の発症リスクが遺伝する仕組み

乳癌の発症リスクが高くなるヒトは特有の遺伝子の構造(リスクアレル)をもちます。
そしてヒトは2つの同じ種類の染色体(相同染色体)をもっていますので、染色体の中に存在する遺伝子も同様に同じ種類の遺伝子が2つあり、『2つの遺伝子がリスクアレル>1つの遺伝子がリスクアレル>リスクアレルの遺伝子なし』の順番で乳癌の発症リスクが高くなる傾向にあります。
ヒトは生まれる際に遺伝によって両親から1つずつ同じ種類の染色体を授かりますので、同時に乳癌の発症リスクに関係する遺伝子も遺伝により両親から1つずつ授かることになり、乳癌の発症リスクは遺伝することを説明することができます。
乳癌は乳腺で発生する癌ですので、男性は女性に比べ乳腺が少ないという体の構造上乳癌を発症する確率はグンと少なくなりますが、稀に男性であっても乳癌を発症するケースがあります。
したがって、母親と同じように父親にも乳癌の発症に関連する遺伝子が存在しており、その遺伝子は子に遺伝いたします。

上記の乳癌の発症リスクの遺伝現象をイラストで説明すると以下のとおりになります。
①父親が1つ乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒50%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝します。
父親の1つの乳癌の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
②父親が2つ乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒100%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝します。
父親の2つの乳癌の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
③父親と母親が1つずつ乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒50%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝し、25%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が2つ子に遺伝します。
両親の1つずつの乳癌の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
④父親が2つ、母親が1つ乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒50%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝し、残りの50%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が2つ子に遺伝します。
父親の2つの乳癌の発症リスクを高めるリスクアレルと母親の1つの乳癌の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
⑤父親と母親が2つずつ乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒100%の確率で乳癌の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が2つ子に遺伝します。
両親の2つずつの乳癌の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト

アイコン「発症リスクの捉え方」

リスクアレル遺伝子は乳癌の発症を100%決定づけるものではありません。

遺伝子と乳癌の発症リスクの関係は統計的に調査されたものであり、リスクアレル遺伝子を持っているヒトはそうでないヒトに比べて統計的に乳癌の発症リスクが高くなる傾向が見られるという意味合いに留まります。

具体的にはリスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトと、リスクアレル遺伝子を1つ持っているヒト、リスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトを大勢集め、それぞれのグループに分けて乳癌の発症率を調べると「リスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトのグループ>リスクアレル遺伝子を1つ持っているヒトのグループ>リスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトのグループ」の順番で乳癌の発症率が高くなります。

一方でグループの中のひとり一人に着目すると、リスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトで乳癌を発症されていない方もいらっしゃいますし、反対にリスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトで乳癌を発症されている方もいらっしゃいます。

以上の理由から、リスクアレル遺伝子は乳癌の発症リスクを高くする《傾向》があると理解することが大切です。

乳癌の発症リスクに関係する遺伝子の検査方法

※遺伝子検査サービス会社で実施する乳癌の発症リスクの具体的な評価方法はノウハウ(会社独自の技術)であり公表されておりません。
以下でご紹介する内容はVaDE(ゲノム情報データベース)やNBCD(バイオサイエンスデータベースセンター)等で公表されている内容を参照してゲノラボが独自にまとめたものであり、遺伝子検査サービス会社が実施する遺伝子検査の方法を説明したものではありませんのであらかじめご了承願います。

乳癌の発症リスクに関係するリスクアレルを持つ遺伝子は複数種類存在することから、単純に1種類の遺伝子だけで乳癌の発症リスクが決まるわけではなく、多数の遺伝子の内容が絡み合って乳癌の発症リスクを決定付けています。

したがって、乳癌の発症リスクを評価するためには複数の遺伝子がリスクアレルかどうかを検査していくわけですが、リスクアレルの構造に該当するかどうかは遺伝子の特定の箇所に存在する塩基の種類を調べることにより確認します。

具体的には以下のとおり2つの遺伝子について検査します。

⑴第10染色体に存在する遺伝子

第10染色体に存在するFGFR2遺伝子の特定の位置の塩基(rs2981578)を確認することで、遺伝子の影響による乳癌の発症リスクを検査できます。
該当の位置に存在する塩基がアデニン(A)かグアニン(G)かによって乳癌の発症リスクが変わり、グアニン(G)である場合は乳癌になりやすい体質、アデニン(A)である場合は乳癌になりにくい体質と評価されます。(つまりグアニン(G)がリスクアレルとなります。)
したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとGG>GA>AAの順番で乳癌の発症リスクが高くなります。

⑵第16染色体に存在する遺伝子

第16染色体に存在するLOC643714遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響による乳癌の発症リスクを検査できます。
該当の位置に存在する塩基がチミン(T)かシトシン(C)かによって乳癌の発症リスクが変わり、チミン(T)である場合は乳癌になりやすい体質、シトシン(C)である場合は乳癌になりにくい体質と評価されます。(つまりチミン(T)がリスクアレルとなります。)
したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとTT>TC>CCの順番で乳癌の発症リスクが高くなります。

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九州大学が87名の日本人を対象に調査したところ、リスクアレルであるチミン(T)を持つ日本人の割合が2.7%、シトシン(C)を持つ日本人の割合が97.3%という結果になりました。
この結果を参照すると、最も乳癌の発症リスクが高くなるTTの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が0.1%、TTの次に乳癌の発症リスクが高いTCの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が5.2%、最も乳癌の発症リスクが低くなるCCの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が94.6%となります。

乳癌の初期症状・前兆

乳癌は比較的体の表面近くで発生する癌ですので、自分自身で早期に発見することができる唯一の癌といわれています。
上述したとおり、乳癌の代表的な症状は「固くコリコリとした痛みのないシコリ」で、1cmぐらいの大きさになれば注意深くさわれば分かる程度のシコリになるといわれています。
シコリを自分を見つけて調べることを自己検診法と呼び、乳癌を早期に発見された方のおよそ80%が自己検診法によるものといわれています。
乳癌は、乳房の外側上方部>内側上方部>乳頭部付近>外側下方部>内側下方部の順番で多く発生しますので、これらの発生しやすい場所も参考に以下の自己検診法を実施していきましょう。

乳癌の自己検診法

「胸のシコリ」や「乳頭部からの分泌液の有無」、「乳頭部のただれ」などに注意しながら、月に1回月経が終わった1週間後に鏡の前で確認します。(閉経後の方は日を決めて定期的に行う方法がオススメです。)
⑴鏡で左右の乳房をよく見比べて、乳房の形や大きさの変化や乳頭部からの分泌液や乳頭部のただれの有無などを確かめます。
このとき乳房の一部にくぼみやひきつれがないか、乳頭部にへこみやただれがないかなどを、両手を挙げてみたり、頭の後ろで手を組んでみたり、腰に手を当ててみたり、前かがみや後ろに沿ってみたりして色々な姿勢で乳房の変化を確かめていきましょう。

⑵鏡でのチェックが終わったら、指を使って乳房を触っていきます。
まずは乳癌の発生率が高い乳房の外側上方部と内側上方部のシコリの有無を確かめていきます。
親指を除く4本の指で乳房を指と肋骨で挟み込むように軽く押していきます、このとき少しづつ場所をずらして移動しながら触っていきます。
同じことを親指と、4本の指で挟み込んで異常な感覚がないか確認していきます。
なお、太っている方や乳房が大きい方は立ち上がった状態で確認するよりも、仰向けの状態で確認された方が分かりやすいとされています。

⑶乳房の確認が終わりましたら、脇の下のリンパ節の確認をしていきます。
乳癌が進行すると脇の下のリンパ節や胸骨の近くのリンパ節、鎖骨の上下にあるリンパ節に転移しやすいとされています。特に脇の下のリンパ節のシコリは乳房のシコリよりも早く発生する可能性がありますので、異常がないか確認された方が良いでしょう。

上述したとおり、1cm程度のシコリであっても注意深く確かめれば発見できるケースがありますし、シコリが2cmになると多くの方が気づきます。シコリが2cm以下で、リンパ節転移がない比較的早期の乳癌であれば約90%の方が完治しますので、日頃から自己検診法を用いたセルフチェックを行い、少しでも気になる兆候があれば我慢せず専門医に相談しましょう。
自己検診はもちろん大切ですが、その後の受診を怠らないことが何より大切です。

乳癌に似た病気

以下のとおり乳癌以外にも乳房にしこりができる病気は存在しますので、乳房にしこりができたからといって慌てる必要はありません。
一般の方に判断できるものではありませんので、異常を発見した場合は決して自己判断をせず専門医で受診してください。
①乳腺症
乳房に痛みを伴うしこりができ、乳頭部からの分泌物がみられることもあります。
月経周期に合わせて症状があらわれるのが特徴で、このため女性ホルモンの影響で起きる生理的な症状と考えられており治療はせず痛みがひどい場合は鎮痛剤で抑えます。
②線維線腫
乳房に弾力があり触るとよく動くしこりができ、痛みを伴いません。
基本的に治療の必要はなく、自然と小さくなったり消えてしまうケースもありますが、あまりにも大きくなる場合には摘出することもあります。
③葉状腫瘍
線維線腫とよく似たしこりができますが、急激に大きくなっていきます。
ほとんどが良性のものですが、悪性や中間型もあり、手術できれいに取り除きます。
取り除いた後も再発しやすいという特徴があります。
④乳管内乳頭腫
乳頭付近の乳管に発生する腫瘍で、乳頭部から血が混じった分泌物がみられるのが特徴です。
乳頭腫は良性の腫瘍ですが、悪性の腫瘍と診断が難しいケースも多いため手術で取り除く場合もあります。
⑤乳腺炎
細菌の感染により起こる乳腺の炎症で、乳房が赤く腫れて熱を持ち痛みを伴います。また、高熱が出るケースもあるようです。
注射器やマッサージ、切開手術により乳腺内部に溜まった母乳やうみを出したり、抗生物質の処方を行います。

乳癌の予防方法

乳癌の発症リスクに関する研究が進められ、乳癌の発症リスクを低下させると評価される習慣がいくつかありますので以下に紹介いたします。
①高脂肪・高カロリーの食事を避ける
上述したとおり、高脂肪・高カロリーな食事習慣は肥満体質を招きます。
乳癌の約80%はエストロゲンの影響を受けて進行するタイプだと考えられており、このエストロゲンは卵巣のほか、皮下脂肪でも作られていることが分かっています。
つまり肥満体質の方はそうでない方に比べてエストロゲンの影響を強く受けることになりますので、確実に乳癌の発症リスクを高めてしまいます。
肥満にならないように脂肪やカロリーの過剰摂取は避け、食生活の見直しを行いましょう。

②適度な運動をする
毎日適度な運動をされている方は、そうでない方に比べて乳癌のリスクが3分の1にまで低下するという報告があります。
運動は乳癌のリスクを高める肥満体質の予防にもつながります。
たくさん運動をすればするだけ予防効果が上がるわけではありませんので、それよりも適度な運動を毎日することが重要です。
30分〜1時間程度のウォーキングなど少し体が汗ばむ程度を目安とし、運動を毎日の日課に取り入れてみましょう。

③過度な飲酒は控える
統計的なデータから、過度な飲酒習慣がある方は乳癌のリスクが高くなる傾向にあることが分かっています。
理由として、アルコールがエストロゲン濃度に影響を及ぼしているという考え方や、アルコールが分解されるときに発生する発がん性物質の影響によるものなど様々な説がありますが、ハッキリとした原因は未だ解明されていません。
原因は分からないものの、過度な飲酒と乳癌の発症リスクについては統計的に相関関係が認められていますので、飲酒は嗜む程度に控え、たまに少量を楽しむ程度にしましょう。

上記の予防法の他、乳癌の初期症状・前兆で説明させていただいた自己検診法による月に1回のセルフチェックの実施、年1回程度の定期的な病院での検診なども万が一乳癌が発生したときの早期発見につながりますので、是非取り入れましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

乳癌は現代の女性が悩ます代表的な癌ですが、死亡率は低下傾向にあり早期に発見することにより完治させることができる病気でもあります。
適切な予防策を取り入れるとともに、セルフチェックなどを取り入れて早期発見につなげることも大切です。
また、家系に乳癌を発症した方がいらっしゃる方や、ご自身の遺伝的な乳癌の発症リスクをあらかじめ把握したいという方は、遺伝子検査サービスを受けてみるのもひとつの方法です。
遺伝子検査サービスを受けられる場合は、ただ検査を受けるだけではなく、遺伝的な乳癌の発症リスクの結果を踏まえて日常生活の改善につなげていくことが大切です。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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