パーキンソン病の発症に遺伝が影響する?パーキンソン病の症状・原因・リスク遺伝子・初期症状・予防方法まとめ

はじめに、パーキンソン病の発症リスクは遺伝要因による影響を受けます。

ただし、遺伝によって必ずパーキンソン病を発症したり、あるいは発症しなかったりするわけではなく、あくまでも遺伝要因によって、パーキンソン病を発症しやすい人、発症しにくい人がいるということに留まります。

この記事ではパーキンソン病の基本的な知識と、遺伝がパーキンソン病の発症リスクに与える影響、パーキンソン病の発症リスクに影響を与える遺伝子の検査方法、パーキンソン病の初期症状などについてご紹介させていただきます。

パーキンソン病とは

パーキンソン病とは、脳の中で運動機能をコントロールしている「線条体」の機能が低下することにより、手が震える、筋肉がこわばる、動きがゆっくりになるといった運動障害のほか、認知機能障害や自律神経障害、睡眠障害などカラダ全体にに様々な症状を引き起こす病気です。

ヒトが体を動かす際には、黒質⇒線条体⇒視床⇒大脳皮質⇒脊髄⇒筋肉⇒運動という流れで各神経細胞の中に指令が伝わっていきます。
各神経細胞の間にはわずかな隙間が存在していて、この隙間では神経伝達物質と呼ばれるものが行き来して神経細胞間に指令を伝達しています。
パーキンソン病を発症すると、線条体で必要となる神経伝達物質に異常が起きてしまい、運動の指令がうまく伝達できなくなることによって運動障害などの症状が引き起こされます。

パーキンソン病は、一般的に50〜60歳くらいで発病し徐々に症状が進行していきます。(稀ではありますが50歳未満の方でもパーキンソン病を発症する可能性はあり、40歳未満の方が発症するパーキンソン病を若年性パーキンソン病と呼びます。)
パーキンソン病は難病ではありますが、医療の発達により様々な新薬が開発されており、病気の進行を抑えて症状を改善することもできるようになってきましたので、パーキンソン病の症状を改善し通常の日常生活を送れるよう治療に励まれている方が多くいらっしゃいます。

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大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で主人公マーティ・マクフライ役を演じたハリウッドスターのマイケル・J・フォックスさんもパーキンソン病と闘い治療に励まれている方の一人です。
マイケル・J・フォックスさんがパーキンソン病を発症していることを公表したのは1998年のことで、その時点で彼がパーキンソン病を発症してから7年もの月日が経過していました。
その後彼は2000年に俳優業を引退しパーキンソン病の研究のための財団を立ち上げることになるのですが、なんと彼はそれから13年後の2013年に主演のテレビドラマ「マイケル・J・フォックス・ショウ」でフルタイムの俳優として見事な復活を果たします。
彼は自伝の中で異変に気付いた時から猛烈な運動を取り入れたことを語っており、彼自身の血の滲むような努力というベースがあって、さらに研究が進むパーキンソン病に有効な新薬の服薬などもあり、昔では考えることすら難しかったパーキンソン病の進行を止めているという素晴らしい結果をもたらしています。

パーキンソン病の患者数の推移を表したグラフ
パーキンソン病の患者数ですが、厚生労働省の調査によると2002年は141,000人、2005年は145,000人、2008年は139,000人、2011年は141,000人、そして2014年には163,000人という患者数となっています。近年患者数が増加傾向にあるのはパーキンソン病が加齢とともに発症しやすい性質の病気であるためであり、高齢社会の日本において発症頻度の高い病気といえます。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病を発症すると、以下のような症状(運動障害)があらわれます。
⑴手足のふるえ(安静時振戦)
・左右いずれかの手足がふるえる(指がまっすぐの状態で付け根部分で曲がり、指先でものを丸めるような動きをするピル・ローリングと呼ばれる特徴的なふるえ方が見られるケースもあります。)
・1秒間に5回規則正しくふるえる
・眠っているときは症状が止まり、起きるとふるえが再発する
これらの症状は、本人が気づかないケースが多いようです。
⑵筋肉のこわばり(固縮)
・無意識に筋肉がこわばり手足がスムーズに動かない
・無理に動かそうとするとギシギシときしむような抵抗感がある
これらの症状が全身に起こるため、本人が気づかないケースが多いようです。
⑶ゆっくりとした動き(無動)
・動作が全体的にゆっくりになる
・長時間同じ姿勢でも辛くなくなる
・表情が変わらずまばたきも少ない
・声が小さい
・字が小さい
⑷姿勢が保てない(姿勢反射障害)
パーキンソン病が進行してくると姿勢を保つのが困難になり、以下のような症状があらわれます。
・傾くと元の姿勢に戻せない
・前かがみでアゴを突き出すような姿勢になる
・姿勢を保てないため転倒する
⑸うまく歩けない(歩行障害)
姿勢反射障害があらわれると、前かがみで膝を曲げて歩くようになるため、以下のような症状があらわれます。
・歩幅が狭くなり、すり足で小刻みな歩行になる
・歩き出しの一歩が踏み出せなくなる
・歩き出すと早足で小走りに突進してしまう
上記のほか、口の筋肉が働きにくくなることによってものを飲み込みにくい(嚥下障害)、よだれが出やすくなるなどの不快な症状も起こりやすくなります。

また、パーキンソン病の影響により以下のような症状があらわれるケースもあります。
・見えないものが見える(幻視)
・もの忘れが増える(軽度認知症)
・やる気や自発性がなくなる(うつ症状)
幻視についてはパーキンソン病の症状のほか、パーキンソン病の治療薬の影響による可能性もあるようですので、幻視の症状があらわれたときは医者に相談する必要があります。
軽度認知症の症状についてはパーキンソン病の進行により重症化する危険性はなく、治療薬を変更すれば数週間で改善するケースが多いようです。
また、うつ症状については、病気に対する不安や、パーキンソン病の症状のひとつである無動の影響により引き起こされているケースが多いと考えられています。

パーキンソン病の合併症

パーキンソン病の進行により運動障害が顕著にあらわれてくると、以下のような合併症を引き起こす危険性が高まりますので注意が必要です。
⑴骨折
パーキンソン病が進行して姿勢反射障害や歩行障害が症状としてあらわれてくると、転倒の危険性が高まります。特に高齢の方などは骨折によりそのまま寝たきりになってしまうケースが多いため注意が必要です。
自宅に転倒対策を施す、外出時は必要に応じて歩行補助道具を使う、パーキンソン病体操と呼ばれる動作で背筋を鍛えるなど転倒をしないための予防策が必要です。
⑵誤嚥性肺炎
パーキンソン病が進行して嚥下障害があらわれだすと、唾液や胃液、食べ物などが誤って気道に入ってしまう誤嚥性肺炎の危険性が高まります。
飲み込みやすい食事に変える、胃液の逆流を防ぐため食後すぐに横にならない、舌や喉の筋肉を鍛えるリハビリテーションを実施するなどの予防策が必要です。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病は運動をコントロールする線条体という脳の部位に必要な神経伝達物質に異常が起こることにより発症することについては上述したとおりですが、もう少し具体的に説明していきます。
正常に機能しているヒトのカラダでは、黒質からドーパミンという神経伝達物質が放出されて線条体内部に存在するドーパミン受容体と結合します。
ドーパミン結合時の刺激で線条体からアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が放出され、次の神経細胞のアセチルコリン受容体と結合することにより線条体の運動に関する指令を各神経細胞に伝達していきます。

つまり、ドーパミンとアセチルコリンという2つの神経伝達物質の働きによって線条体からの運動に関する指令が各神経細胞に伝えられることでヒトは筋肉を動かすことができ、運動という動作をスムーズに行うことができているわけです。

一方で、黒質で作られるドーパミンの量は加齢によりゆるやかに減少していきますが、パーキンソン病を発症すると急激にドーパミンの量が減っていきます。
黒質で作られるドーパミンの量が不足すると、線条体のドーパミン受容体が刺激を受けることができなくなり、次の神経細胞に指令を伝えるためのアセチルコリンの量も少なくなります。
つまり、黒質からのドーパミンの供給が激減することにより線条体自体の働きも衰えてしまい、各神経細胞に上手く運動のコントロールの指令を出すことがができなくなります。
この状況がパーキンソン病の代表的な症状である運動障害を引き起こします。

加齢によりドーパミンの量が自然と減っていくこと、一般的に50〜60歳頃から発症する方が多い病気であることから、パーキンソン病を発症させる因子として明らかなのが老化です。
一方で、なにがきっかけとなり黒質のドーパミンの量が急激に少なくなるスイッチが入ってしまうかについては未だ原因が突き止められていません。
これまでも様々な生活習慣などとの関連性が調査されてきましたが、各調査でも関連性が一致せず現在も研究が進められている状況です。

パーキンソン病の発症リスクが遺伝する仕組み

パーキンソン病は遺伝が原因で必ず発症する病気ではありませんが、遺伝的な要因によりパーキンソン病を発症しやすい方がいるのも事実で、このようにパーキンソン病の発症リスクが高くなるヒトは特有の遺伝子の構造(リスクアレル)をもちます。
そしてヒトは2つの同じ種類の染色体(相同染色体)をもっていますので、染色体の中に存在する遺伝子も同様に同じ種類の遺伝子が2つあり、『2つの遺伝子がリスクアレル>1つの遺伝子がリスクアレル>リスクアレルの遺伝子なし』の順番でパーキンソン病の発症リスクが高くなる傾向にあります。
ヒトは生まれる際に遺伝によって両親から1つずつ同じ種類の染色体を授かりますので、同時にパーキンソン病の発症リスクに関係する遺伝子も遺伝により両親から1つずつ授かることになり、パーキンソン病の発症リスクは遺伝することを説明することができます。

上記のパーキンソン病の発症リスクの遺伝現象をイラストで説明すると以下のとおりになります。
①父親が1つパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒50%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝します。
父親の1つのパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
②父親が2つパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒100%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝します。
父親の2つのパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
③父親と母親が1つずつパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒50%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝し、25%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が2つ子に遺伝します。
両親の1つずつのパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
④父親が2つ、母親が1つパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒50%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が1つ子に遺伝し、残りの50%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が2つ子に遺伝します。
父親の2つのパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレルと母親の1つのパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト
⑤父親と母親が2つずつパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)を持つケース
⇒100%の確率でパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレル遺伝子(染色体)が2つ子に遺伝します。
両親の2つずつのパーキンソン病の発症リスクを高めるリスクアレルが子に遺伝する様子を示したイラスト

アイコン「発症リスクの捉え方」

リスクアレル遺伝子はパーキンソン病の発症を100%決定づけるものではありません。

遺伝子とパーキンソン病の発症リスクの関係は統計的に調査されたものであり、リスクアレル遺伝子を持っているヒトはそうでないヒトに比べて統計的にパーキンソン病の発症リスクが高くなる傾向が見られるという意味合いに留まります。

具体的にはリスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトと、リスクアレル遺伝子を1つ持っているヒト、リスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトを大勢集め、それぞれのグループに分けてパーキンソン病の発症率を調べると「リスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトのグループ>リスクアレル遺伝子を1つ持っているヒトのグループ>リスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトのグループ」の順番でパーキンソン病の発症率が高くなります。

一方でグループの中のひとり一人に着目すると、リスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトでパーキンソン病を発症されていない方もいらっしゃいますし、反対にリスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトでパーキンソン病を発症されている方もいらっしゃいます。

以上の理由から、リスクアレル遺伝子はパーキンソン病の発症リスクを高くする《傾向》があると理解することが大切です。

パーキンソン病の発症リスクに関係する遺伝子の検査方法

※遺伝子検査サービス会社で実施するパーキンソン病の発症リスクの具体的な評価方法はノウハウ(会社独自の技術)であり公表されておりません。
以下でご紹介する内容はVaDE(ゲノム情報データベース)やNBCD(バイオサイエンスデータベースセンター)等で公表されている内容を参照してゲノラボが独自にまとめたものであり、遺伝子検査サービス会社が実施する遺伝子検査の方法を説明したものではありませんのであらかじめご了承願います。

パーキンソン病の発症リスクに関係するリスクアレルを持つ遺伝子は複数種類存在することから、単純に1種類の遺伝子だけでパーキンソン病の発症リスクが決まるわけではなく、多数の遺伝子の内容が絡み合ってパーキンソン病の発症リスクを決定付けています。

したがって、パーキンソン病の発症リスクを評価するためには複数の遺伝子がリスクアレルかどうかを検査していくわけですが、リスクアレルの構造に該当するかどうかは遺伝子の特定の箇所に存在する塩基の種類を調べることにより確認します。

具体的には以下のとおり4つの遺伝子について検査します。

⑴第1染色体に存在する遺伝子

第1染色体に存在するRAB7L1/SLC41A1遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響によるパーキンソン病の発症リスクを検査できます。
該当の位置に存在する塩基がアデニン(A)かグアニン(G)かによってパーキンソン病の発症リスクが変わり、アデニン(A)である場合はパーキンソン病になりやすい体質、グアニン(G)である場合はパーキンソン病になりにくい体質と評価されます。(つまりアデニン(A)がリスクアレルとなります。)
したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとAA>AG>GGの順番でパーキンソン病の発症リスクが高くなります。

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九州大学が87名の日本人を対象に調査したところ、リスクアレルであるアデニン(A)を持つ日本人の割合が52.9%、グアニン(G)を持つ日本人の割合が47.1%という結果になりました。
この結果を参照すると、最もパーキンソン病の発症リスクが高くなるAAの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が27.9%、AAの次にパーキンソン病の発症リスクが高いAGの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が49.8%、最もパーキンソン病の発症リスクが低くなるGGの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が22.1%となります。

⑵第4染色体に存在する遺伝子

第4染色体に存在するRPL10AP7/CD38遺伝子とGPRIN3/SNCA遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響によるパーキンソン病の発症リスクを検査できます。
RPL10AP7/CD38遺伝子の該当の位置に存在する塩基がアデニン(A)かグアニン(G)かによってパーキンソン病の発症リスクが変わり、グアニン(G)である場合はパーキンソン病になりやすい体質、アデニン(A)である場合はパーキンソン病になりにくい体質と評価されます。(つまりグアニン(G)がリスクアレルとなります。)
したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとGG>GA>AAの順番でパーキンソン病の発症リスクが高くなります。
また、GPRIN3/SNCA遺伝子の該当の位置に存在する塩基がチミン(T)かグアニン(G)かによってパーキンソン病の発症リスクが変わり、グアニン(G)である場合はパーキンソン病になりやすい体質、チミン(T)である場合はパーキンソン病になりにくい体質と評価されます。(つまりグアニン(G)がリスクアレルとなります。)
したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとGG>GT>TTの順番でパーキンソン病の発症リスクが高くなります。

⑶第12染色体に存在する遺伝子

第12染色体に存在するSLC2A13遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響によるパーキンソン病の発症リスクを検査できます。
該当の位置に存在する塩基がチミン(T)かグアニン(G)かによってパーキンソン病の発症リスクが変わり、グアニン(G)である場合はパーキンソン病になりやすい体質、チミン(T)である場合はパーキンソン病になりにくい体質と評価されます。(つまりグアニン(G)がリスクアレルとなります。)
したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとGG>GT>TTの順番でパーキンソン病の発症リスクが高くなります。

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九州大学が87名の日本人を対象に調査したところ、リスクアレルであるグアニン(G)を持つ日本人の割合が10.5%、チミン(T)を持つ日本人の割合が89.5%という結果になりました。
この結果を参照すると、最もパーキンソン病の発症リスクが高くなるGGの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が1.1%、GGの次にパーキンソン病の発症リスクが高いGTの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が18.7%、最もパーキンソン病の発症リスクが低くなるTTの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が80.1%となります。

パーキンソン病の初期症状・前兆

パーキンソン病の代表的な症状は運動障害であることは上述したとおりですが、運動障害の中でも姿勢反射障害や歩行障害などは比較的パーキンソン病が進行したあとで見受けられる症状です。
したがって、パーキンソン病の初期症状としては安静時振戦、無動の症状に注意を払いましょう。
パーキンソン病の比較的初期段階に発生する固縮という症状は、いわゆる筋肉がスムーズに動かずギシギシとする症状なのですが、本人の感覚に頼らざるを得ず外から判断することが難しい症状です。
これに対し、手足が震える安静時振戦と動きがゆっくりになる無動は、外から容易に観察することができますので初期症状としては一番判断しやすいものといえるでしょう。

・安静時振戦の見分け方
パーキンソン病の症状としての手足の震えは安静時に震えるケースが多く、何かを持ったり手足を動かしているときは震えがあまり起きないケースが多いです。
またパーキンソン病による震えは最初は体の片側のみにあらわれますが、徐々に両側に広がっていきます。
震えは外から分かりやすく、本人が気づく前に周囲の方から指摘されるケースもあります。

・無動の見分け方
パーキンソン病の症状として無動が出ると、1つ1つの動作が遅くなり時間がかかるようになりますので、例えばこれまでと同じペースで歩いているのに遅れるようになったり、外出前の支度に時間が掛かるようになるケースがあります。
また動作が小さくなることにより、歩く時の歩幅が小さくなったり、手足の振りが小さくなる傾向にあるようです。
その他足を引きずったり、歩くときにつま先をよく引っ掛けてしまう、靴のつま先部分ばかりがすり減ってしまうといったこともあるようです。

上記のような症状を自覚したり、他人に指摘されたりした場合はパーキンソン病の初期症状の可能性を疑い、すぐに病院に行きましょう。
なおパーキンソン病の受診科は神経内科または脳神経内科です。症状をメモなどにまとめておくとスムーズに診察が進みますので、可能であれば受診前に自覚した症状や周りの人から指摘された点などをまとめておきましょう。

パーキンソン病の予防方法

パーキンソン病の原因となる黒質から放出されるドーパミンの減少のメカニズム(なぜ減少するのか)が解明されていないため、残念ながら現時点で医学的に効果が認められているパーキンソン病の予防法はありません。
ただし、万が一パーキンソン病を発症してしまった時のことを考えると、薬物療法と運動療法を併せて実施していきますので、日頃から運動習慣をつけておくことは治療の観点から望ましいことだといえます。
さらに運動には筋肉量を増やすだけではなくドーパミンを増やす効果もありますので、パーキンソン病に負けないために取り入れておきたい習慣といえそうです。
なお、すでにパーキンソン病の症状が出ている方につきましては転倒による骨折などの怪我をしてしまうリスクもありますので、運動メニューなどを病院と相談されたほうが良いでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

パーキンソン病は難病ではありますが、近年の医療の発達による新薬の開発などによりパーキンソン病患者の寿命はそうでない方と同じ水準まで上がっていますので、適切な治療さえ心がければ決して恐ろしい病気ではありません。

なお、パーキンソン病の適切な予防法は明らかになっていませんが、遺伝的な要因によるパーキンソン病を発症リスクを評価することは可能です。
特に家系にパーキンソン病患者のご家族がいらっしゃる方は、ご自身のパーキンソン病のリスクを把握するためにも遺伝子検査を受けられてみるのも良いかもしれません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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